スポーツ障害

SPI001 コンパーメント症候群

コンパートメント症候群

複数の筋肉がある部位ではそれぞれの筋肉に応じて骨,筋膜,筋間中隔などで囲まれた区画に分かれて存在します。骨,筋膜,筋間中隔などで囲まれた区画のことをコンパートメントと呼びます。

運動時などに骨折や打撲で外傷が原因で筋肉組織などの腫脹(はれ)が起きると負傷した部位の骨,筋膜,筋間中隔などで囲まれた区画圧が上昇します。

そうすると筋肉,血管,神経などが圧迫されてしまいます。循環不全が起こりますので壊死や神経麻痺を起こすおそれがあります。

上記のような現象をコンパートメント症候群といいます。

筋膜切開(減張切開)が必要となることもあります

多くの筋肉が存在する前腕,下腿や大腿部で起きやすいことがわかっています。骨折や打撲に限らずランニングやジャンプなどの激しい運動を繰り返すラグビーなどのコンタクトスポーツはもちろん野球やバレーボールやバスケットボールなどの球技でも起こります。

強い疼痛が特徴です。さらに腫脹,知覚障害,強い圧痛などがみられることが大井です。処置が遅れれば筋肉壊死や神経麻痺を引き起こすこともすくなくありません。病院での検査で筋区画内圧が40mmHg以上であれば,筋膜切開(減張切開)が必要となることもありますので自己判断せずに早めに病院にいき検査をして切開が必要無ければ整骨院や鍼灸院で治療をスタートしましょう。

ツボ
ラグビーの季節になってきました。母校の国学院久我山ラグビー部が2年ぶりに花園出場を決めました。とてもうれしい限りです。また、青山学院大学ラグビー部も立教大学を破り今期初勝利。とても嬉しい週末を過ごしました。ありがとうございます。私は皆様のケガやスポーツ障害を治すことで貢献いたします。

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STC002 全身のストレッチ~腸骨筋

股関節を構成する重要な筋肉~腸骨筋

腸骨筋は、骨盤の中の腸骨部分に付いている筋肉です。大腰筋(背骨から両足の付け根をつなぐ筋肉)、小腰筋(大腰筋の中にあり補助的な筋肉)とともに腸腰筋とも呼ばれています。

腸骨の内側全体に付いており、小転子(足の付け根の内側の出っ張り)に停止しています。体の内側にある筋肉になるため触ることはできません。ですが、仰向けに寝た状態で、足の付け根の内側を軽く押しながら膝を曲げると筋肉の動きを少し感じ取ることができます。

働きとしては、股関節を曲げる屈曲動作と外側への回転をする外施動作です。そして、背骨を曲げたり、まっすぐとした姿勢を保つことにも係わっています。また、座ったままでの足の持ち上げや、股関節を固定している時には、上体を起こす働きもあります。

ツボ

背中をまるめていくストレッチと背筋を伸ばしたままのストレッチを明確に意識して実行していきましょう。

痛みを軽く感じる部分で止めて良いです。可動域は徐々にセットを重ねるごとに徐々に広くなっていくものですからあまり気にしないこと。

呼吸は止めずゆっくりと呼吸を継続してリラックスすることです。

セットは5から10セット程度を目標にストレッチしましょう。一日にたくさんやるよりも毎日の継続の方が効果が高くなっていくことを覚えておきましょう。

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STC001 運動前に股関節のストレッチ~股関節・腸腰筋

股関節を構成する重要な筋肉~腸腰筋

腸腰筋は、大腰筋(背骨から両足の付け根をつなぐ筋肉)、小腰筋(大腰筋の中にあり補助的な筋肉)、腸骨筋(骨盤から足の付け根をつなぐ筋肉)の3つの筋肉の総称になります。

3つとも、腰椎(腰の背骨)から大腿骨(太ももの骨)につながる筋肉です。また、腹腔(内臓がある空間)より背骨側にあり、腰周りの深い部分にある筋肉になるため、深腹筋とも呼ばれています。

そのため、背骨を前へ曲げる前屈運動にも係わっています。主な働きは、骨盤を前へ傾けたり、姿勢の維持、大腿を曲げる屈曲運動です。また、大臀筋(お尻の膨らみ部分の筋肉)と一緒に働くことで、立ったり歩いたりする動作を行ないます。

特に、階段を上る動作時には、腸腰筋が太ももを上げて上段に足を乗せ、大臀筋が太ももを後ろへ引くことで階段に着地できるのです。そして、猫背の方はこの腸腰筋が弱っていることが多いです。猫背を解消してきれいな姿勢になるためには、この筋肉のストレッチをすることをお勧めします。

ツボ

背中をまるめていくストレッチと背筋を伸ばしたままのストレッチを明確に意識して実行していきましょう。

痛みを軽く感じる部分で止めて良いです。可動域は徐々にセットを重ねるごとに徐々に広くなっていくものですからあまり気にしないこと。

呼吸は止めずゆっくりと呼吸を継続してリラックスすることです。

セットは5から10セット程度を目標にストレッチしましょう。一日にたくさんやるよりも毎日の継続の方が効果が高くなっていくことを覚えておきましょう。

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CLM132 ラグビーなどで雨天時のゲームや練習時の注意


ラグビーは雨天決行です。よほどのことがない限り試合は予定通りに行われます。やるほうにしてはなかなか大変なことです。最近では芝が多くなってきているので足元は昔の土のグランドに比べたらさらによいとは思いますが、雨の中のゲームや練習は憂鬱なものでした。

雨の中での注意点は晴天下では起こらない怪我をすることがあるから要注意です。

捻挫

打撲

肉離れ

骨折

上記はラグビーやアメフト、サッカーなどでは通常時の怪我としてもありますが、雨天のゲームや練習時にはとくに注意して欲しいです。しかし、怪我はしたくてするものではありませんから必要以上に気にすることで余計に怪我につながることもありますから以下の点に気をつけてゲームや練習に臨んでください。

古傷や過去に怪我した部位への対処

とくに足関節捻挫を何回かしたことがある選手などは雨天時のゲームや練習では痛みがなくても不安感があればテーピングやサポーターをして臨んでください

既に今怪我がある、怪我して間もない選手は休みも選択肢の一つ

積極的な休養もパフォーマンスを上げる上では必要なことです。しかし、筋力トレーニングやリハビリなどは室内でできますので、室内にトレーニング環境があるのであればグランドでの練習は休んでも筋力トレーニングやリハビリはしっかりと励行してください。最近の選手はとおやじくさいことを言いますがちょっとした痛みで練習を休むということをよく聞きます。どこまでやってプレーできるのか、していいのかは自己判断だけでなくチームのトレーナーとしっかりと話し合って決めていきましょう。

雨天時のゲームや練習後は温めることも必要です。

怪我した直後はアイシングなどが必須なのはもうすでにご承知だと思いますが雨天時のゲームや練習後に特に新たな怪我をしてない場合は身体を温めることが重要になります。

「けがをした鹿が温泉で傷を癒している姿を見て湯治場の開設を思い立った」とか「戦国時代、戦闘で疲弊した将兵を癒す隠し湯だった」といった言い伝えを持った場所が多くあります。また、湯治による病気の治療法が伝えられている温泉ともなると、その記述がない所はないといえるほど各地に存在しています。このように昔から、温泉の熱で体を温め癒すのが健康に良いことは、経験的に知られてきています。引用元効き目の秘密はヒートショックプロテインにあった

これは鍼灸師が言っているのではなく医学博士の伊藤要子先生が言っていることです。古傷や怪我をした部位が一定期間あいたら温めることはとても重要です。さらにポーツの世界では、冬季のソルトレイクオリンピックのときに、当時強化担当ドクターをされていた富山医科薬科大の田澤先生が、クロスカントリー代表チームにヒートショックプロテイン理論を持ち込みました。ヒートショックプロテインのおかげで筋肉を良い状態にできたため成績が飛躍的に伸びたのは有名な話です。