HWN104 がん名医が末期がんに…それでも「治療しない」と語る理由


photo credit: ginnerobot via photopin cc
末期がん。本当に悲しいですが、未だに日本ではがんによる死因が減るどころか増えているからどうしたものか。医療は発達はしているのです。薬も新薬も出てはいます。それでも、なかなか完治する確率を上げることができていないのが現状です。

がんになれば大抵の人は病院に行きます。そして、先生の診断や指導に従い抗がん剤や放射線療法を施していくことになります。しかし、がんの名医が末期がんになっても自分では治療をしないと言っているのはなぜだろうか。以下の記事をメモしておきます。

「誰にも言っていませんが、余命は1年もないでしょう」と自らの余命を語るのは、神戸市「新須磨リハビリテーション病院」院長の神代尚芳医師(67)。これまで約200人のがん患者を看取ってきたという神代医師。そんな彼が今、末期の肺がんに侵されているという。

がんが見つかったのは、昨年5月のこと。手術は、親友の医師により7月に行われた。だが現在、神代医師は抗癌剤や放射線治療などの治療を行なっていないという。「『大細胞型』のがんは抗がん剤が効きにくく、放射線治療も効果がないんです。だから、もう対応のしようがない。飲んでいるのも胃腸薬ぐらいです。もちろん、自分がこれまで患者に言ってきたことと違うことをするわけにはいかないという思いもあります」

これまで彼は患者への治療を必要最小限にとどめてきた。それは延命ではなく“自分らしい人生”を送ることに重点を置いた治療だった。神代医師によると、今の医療はやるべき治療を行なっていない一方で、やり過ぎだと思うことも多いという。「もちろん何でも放置すればいいというわけではないですよ。でも手遅れなのに手術を重ね、辛い治療を続けることで“最期の時間”を犠牲にしている人も多いんです」

そんな彼が20年間に渡り提唱してきたのが『完成期医療福祉』という考え方だ。「『死ぬことはこの世から消えてしまうこと』だと考えると耐えられないほど恐ろしい。でも『死は人生を完成させるもの』と思えば、怖くなくなる。つまり充実した最期をもって人生を完成させるということです。そのためには、管理された病院で死ぬのではなく、自宅などの自由でいられる場所で最期をすごす必要があるんです」

患者のために人生を捧げてきた神代医師の考える“人生の完成”。それは、独居老人が自宅に戻って充実した最期を迎えるにはどうすればいいのか。どんなサポートが必要なのかという答えを見つけることだった。「幸か不幸か、私はがんになりました。だから自らが実験台となり、それらを見極めたいと思うようになりました」

しかし、今年2月に脳への転移が発覚。“独居闘病生活”の試みは、断念せざるをえなくなったという。理想と現実の間で揺れ動く神代医師は、しみじみとこう語る。「今回、私は2度の手術をしましたが、これでよかったのかなと思うこともあります。でもそれは最期にならないと誰にもわかりません。医者といっても神や仏じゃなく、人間ですから。何がよかったかなんて最期までわからない。そんなもんです」がん名医が末期がんに…それでも「治療しない」と語る理由

私は鍼灸師として患者さんと接する中でできるだけバランスがとれたアドバイスをするように心がけています。東洋医学も西洋医学もいいとこどりをして、どちらか一方が良い悪いといったバランスの崩れた論議はしたくありません。

薬に頼りすぎずに、食生活や生活習慣をできるだけ見直して改善したりすることがとても大切なのでは無いかと痛感しています。生命の限りは神のみぞ知る。といったところではないでしょうか。

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